WordPressサイトを Claude Code でほぼ全自動でヘッドレスCMSへ移行した話
10年分のコンテンツが詰まった自社のWordPressサイトを、AIエージェント Claude Code でほぼ自動で Astro + Sanity のヘッドレス構成へ移行しました。サーバ維持費も制作会社への外注費もかけず、短期間でモダンに作り替えた一部始終を公開します。
いま読んでいただいているこのサイト(cenote.tech)自体が、その移行の成果物です。10年分のコンテンツが詰まった自社のWordPressサイトを、AIエージェント「Claude Code」を使ってほぼ自動で Astro + Sanity のヘッドレス構成へ作り替えました。サーバの維持費も、制作会社への外注費もかけずに、です。
なぜ移行したのか
旧サイトは WordPress(ロリポップ上)で運用していました。長年のあいだにテーマやページビルダーを何度も乗り換えた結果、コンテンツが複数のビルダー(SiteOrigin / Blocksy / Stackable …)に分散し、デモ用のダミー文章まで混ざった「地層」のような状態になっていました。
WordPress は便利な反面、プラグインの更新、PHP/データベースの保守、セキュリティ対応、サーバ費用が継続的にかかります。かといって制作会社にフルリニューアルを頼めば、相応の費用と数週間〜数ヶ月の期間が必要です。
そこで、「AIエージェントにほぼ任せて、安く・速く・高品質にできないか?」を実地で試してみることにしました。
構成:何を使ったか
- フロント: Astro(静的サイト生成。表示が速く、壊れにくい)
- コンテンツ: Sanity(ヘッドレスCMS。編集しやすく、デザインと中身を分離できる)
- ホスティング: Cloudflare Pages(CDN配信・無料枠・独自ドメイン・SSL自動)
- 進行: すべての作業を、対話しながら AIエージェント Claude Code に実行させた
AIがやったこと
ここが本題です。以下は、ほぼ Claude Code が自動で実行しました。
コンテンツのサルベージ
旧サイトのデータベースダンプを解析し、複数サイトが同居する中から本物のデータを特定。ページビルダー(SiteOrigin)の独自形式(PHPシリアライズされたデータ)をデコードして、埋もれていた「本物の日本語コンテンツ」を発掘しました。
実は、表示用のHTMLには過去のテーマのダミー文(Lorem ipsum)が残っており、そのまま移すと偽のコンテンツを引き継いでしまう罠がありました。AIはデータ構造をたどって、本来の文章だけを正確に取り出しました。
画像と本文の変換
- 画像: 旧サーバの画像をすべて取得して Sanity へアップロードし、本文中のURLも差し替え
- 本文: WordPress のHTML本文を、ヘッドレスCMSで扱う構造化フォーマット(Portable Text)へ自動変換
デザインの作り直し
複数のデザイン案を生成して見比べ、温かみのある方向性を採用。旧レイアウトに引きずられず、実コンテンツを入れたモダンなサイトとして再構築しました。
SEO:URLの引き継ぎ
旧URL(日本語スラッグを含む)から新URLへの301リダイレクトを自動生成。検索エンジンの評価を落とさずに引き継ぎました。
公開と自動化
Cloudflare Pages へデプロイし、独自ドメインを接続、SSLを発行。さらに、Sanity でコンテンツを更新すると自動でサイトが再ビルドされる仕組みまで構築しました。日々の更新に、もう手作業のデプロイは要りません。
結果
- サーバ維持費: 実質ゼロ(静的配信+無料枠)。WordPress・PHP・DBの保守から解放
- 外注費: ゼロ
- 期間: 通常なら数週間規模の作業を、対話しながら短期間で完了
- 品質: モダンなデザイン、表示の高速化、SEO(リダイレクト)の維持、編集しやすいヘッドレスCMS
ここから言えること
「安い・速い・そこそこ」ではなく、「安い・速い・高品質」が現実になりつつあります。データ移行・形式変換・リダイレクト整備・デプロイ設定といった、定型的だが手間のかかる作業こそ、AIエージェントが最も力を発揮する領域です。
もちろん、何を残すか・どう見せるか・ブランドのトーンをどうするかといった判断は人間の仕事です。AIが「作業」を、人間が「意思決定」を担う。その役割分担がはまると、制作のコストと速度は大きく変わります。
おわりに
「WordPress の保守がつらい」「リニューアルしたいが費用が気になる」——もし同じ課題をお持ちなら、AIエージェントによる移行は有力な選択肢になります。このサイトが、その一つの実例です。
CENOTE では、こうした制作・技術検証も含めて、受託開発や共同研究のご相談を承っています。